日本一のホワイト企業「未来工業」
ホワイト企業の代表格といえば、設備資材製造メーカーの「未来工業」です。
創業者の故・山田昭男氏は、「社員をいかにやる気にさせるかで会社は決まる」をモットーに、会社を上場企業へ育てあげた名物経営者です。
未来工業が“日本一のホワイト企業”と言われる理由は、次の3つにあります。
- 労働時間は1日実働7時間15分
- 年間休日数140日
- 原則残業なし
にもかかわらず、好業績を上げ続けているのです。
ホワイト企業株式会社を設立したからには日本一を見てみようと、水戸から高速に乗ること数時間、岐阜県にある未来工業を見学してきました。
未来工業は残業禁止で実働7時間15分なのに、赤字決算となったことはないといいます。
“山田イズム”は、未来工業のなかにもちろん現在も息づいています。
山田昭男氏の言葉から、どのように日本一のホワイト企業が生まれたのかを探ってみます。
(参考:『山田昭男の仕事も人生も面白くなる働き方バイブル』東洋経済新報社刊)
年間休暇140日、残業禁止
1日7時間15分しか働かない。残業は当然禁止!時間を制限するからこそ、生産性と効率性が上がる。
~長時間労働を禁止しただけでホワイト企業と言われるのは、それだけブラック企業まがいが多いということ。
残業ゼロに王道はない。1日5分のムダ削減が年7200分もの自由時間になる。
~残業をいきなり1時間減らすのはむずかしくても、1日5分のムダなら削減できる。残業ゼロはその積み重ねにすぎない。
出社時間を30分早めて、業務効率を比べてみる。できれば30分遅らせた日とも比べて見る。
~夕方に注文が集中するため、工場は常に残業を強いられてきた。ある工場で30分始業時間を遅らせてみたところ、残業なしで注文を受けられるようになった。
人件費カットは会社を強くしない。半分の給料で同じ仕事をやらされる人間の気持ちを経営者は考えたことがあるのか?
~正社員の半分の給料で働かされる契約社員、パートさんは、それで正社員と同じだけの忠誠心、愛社精神で働いてくれるか。
日本の会社の97%は儲かっていない。だから、他社と反対のことをすれば儲かる。
~それだけで簡単な差別化、儲け方になるはずだ。
クイズ50問満点で、有給休暇1年! こんな奇抜な案を考えるヤツは、大手都銀にはひとりもいない。
~2011年エジプトへの社員旅行の際に、社員から発案されて承認された。
肩書なんてただのニックネーム。そう思える人が部下の心を引きつけ、ワンランク上の仕事をする。
~仕事がほんとうにできる人は、肩書を「より良い仕事をするための手段」と考え、活用する。
上司の仕事は部下の不満を消すこと。不満は陰口になり、目に見えないマイナスの空気を職場に生む。
~マイナスの空気は職場をギスギスさせるだけ。部下の不満を減らす努力を怠ってはいけない。
「教育しない 管理しない 強制しない」の3ナイ主義でプロ社員を育てる。
~教育、管理、強制が指示待ち社員を生んでいる。3ナイ主義は自分の頭で考え、動く社員を育てる。
仕事ができない上司ほど、「ホウレンソウ」を求める。
~組織のホウレンソウは悪影響しか及ぼさない。部下は報告連絡相談さえすれば怒られず、自分で考え、行動する力が身につかないから。
社長の決断ひとつで、ここまで社員にやさしい会社になれるのかと、驚きました!